9月6日 土曜

 11時近くに起きだして、ぼーっとテレビを見たり、シャワーをあびたり。観光客にあるまじき不真面目さだけど、日ごろの怠惰な生活習慣は、香港に来たくらいで直るもんじゃなかった。

 時間が遅かったせいで、いつも買う新聞は売り切れていたので、初めて買う「快報」を買った。…結論から言うと、これが全ての元凶だったのさ。値段は安いが(他の新聞が5HKドルのところ、3HKドル)、名前(エクスプレス・ニュース)に反して、情報が遅かった「快報」!!もう2度と買わないぞー!!!

 さて新聞に寄れば、めぼしいイベントもなかったので、レオン・ライとサミー・チェンの映画を見に行くことになった。この日は香港に来て初めての快晴、はっきり言って暑い。冷房ガンガンのホテルから外に出た途端、脳みそが溶けそうになる。旅行4日目、疲れの出てきた私の頭が今三つほど冴えてなかったからといって、責められる人がいるだろうか。いや、いるかも知れないが…。

工事中 ホテルの近所のミラマー戯院(映画館)に行ったら、見るつもりの映画のポスターはないし、チケットも売ってない。昨日までで終わっただあ?だったら今日の新聞にのせんなー。そりゃ印刷は昨日だったんだろうけどさあ。朝からさえない出だしだわ。
                              改装中の香港コロシアム(足場は竹製)→

 とほほ、と思いつつ、むきになってしまって、タクシー飛ばして別の映画館へGO!が、やはりというか、上映は終わっていた。せっかく来たことだし、隣のデューティーフリーショッパーズで、頼まれたブランド物を買っておこう。

 久しぶりに高級品を見て眼が眩んだらしく、うっかり自分の物まで買っちゃうし、店員が「後もう少し買って、合計金額が2000HKドル(約30000円)越えたらウエストポーチをプレゼント!」と、日本文化センターのようなことを言うので、皮の眼鏡ケースなんか買ってしまった。いいや、母へのみやげにしようっと。おまけのウエストポーチは父へのみやげ、とセコイことを考える。

 「まるで普通の観光客みたい〜」などと言いながら店を出ようとすると、VISAカードを使った人専用のプレゼント応募用紙をくれた。一等景品は、1名様にキャセイパシフィック香港往復航空券100枚!!100名に1枚の間違いじゃないの?と何度も見直したけど、やはり100枚だった。「往復100回かあ…2人で1年毎週来られるねえ」「そしたら、土曜の昼に出て、『勁歌金曲』(土曜の夜の歌番組)見て、カラオケ歌って日曜帰れば、有給取らなくてすむし、朝までカラオケにいればホテル代もいらないよねえ」「糖朝の蝦ワンタン麺が毎週食べられるねえ」…うっとり。まあ、実際にそんなことしてたら、とても身が持たないだろうな。いい夢見させてもらったぜ。

 ホテルに荷物を置いて、HMVでCDを買い、近所の「ハリウッド・プラネット」というレストランでお昼にする。ここは香港最大の映画会社ゴールデンハーベストが出資していて、入り口にスターの手形のプレートが飾ってあるのだった。先日アーロンとイーキン・チェンも手形を作った、と新聞に出てたので、捜してみたが見当たらなかった。「作っただけでかざらないのかねぇ」、と情けないことをつぶやきつつ、ちゃっかりアンディ・ラウの手形と記念撮影。

 店内は昼でも暗くて、クラブっぽい雰囲気。メニューも店員も英語しか使っていない。英語を話さない人は来ないらしい。サンドイッチは大きい上にフライドポテトが小山のようについてきた。美味しいけれど、良くも悪くもアメリカン。

 そしてここのトイレがすごかった!ヘアスプレーやヘアムース、マニキュア、リムーバー、香水、洗顔フォーム、化粧水などが、足りないものがあれば言ってみろ!とばかりに並んでいる。もちろん好きに使えるのだけれど、DJのような黒人のお姉さんが常駐していて、早口の英語で話しかけつつ、個室のドアを開けてくれ、水道の蛇口をひねってくれ、ハンドソープを手に出してくれ、と、英語がさっぱりな私には気の休まる暇もない。別の客がきて、ターゲットが移った時には心からほっとしたよ。こんなトイレなのでチップの相場も高いらしく、小皿には10ドルコインばかり入っている。だがしかし!私が持っているのは2ドルぽっきり(しかも1ドルコインと小銭いろいろ…)。握り締めて隙をうかがっていると、お姉さんが空いてる個室の整備をしだした。チャンス!小銭を放りこんで、すかさずトイレを後にする。トイレに行くだけでどっと疲れてしまった。

 HMVの前のスーパーにおみやげを買いに行ったら、Kさんにばったり会った。香港もせまいねー、などと言ってると、「3時からのアーロンのイベントは行って来たんでしょ?」という彼女の爆弾発言が!!「そんなの知らない!新聞に載ってなかったよ!!」パニクっていると、「東方日報」には載っていた、と告げる彼女。なんてこったああ!映画の日程だけでなく、イベント情報まであてにならなかったとは!のんびり買い物や食事をしていた我々は、唖然呆然、よろよろと「明報」を買うと、たしかに載っていた。ああ、別の新聞を買うんだった〜〜。

 気を取り直して、ホテルで『勁歌金曲』を見てから、またお出かけ。今晩は、リージェントホテルのバーで夜景を見るんだ♪5つ星ホテルなので、買ったばかりのスタンドカラーのシルクのブラウスを着て、ハンドバッグを持っていく。玄関脇に、ゴールドのロールスロイスが2台、狛犬のように停めてあった。写真を撮りたいのをぐっと我慢。こんな車香港でしか見れないよねー。

 ゆったりしたソファーにかけながら、壁一面のガラス越しに、対岸の香港島の夜景を眺める。サマースペシャルの「香港の夜」とか言うカクテルを注文。変光ガラスなのか、実際より近く見えて、海の上にいるみたい。ここは建物の反対側、道路に向いた面にもガラスを多用しているので、建物の外からでも、反対側の夜景が覗けるという、不思議なホテル。なんでも風水師のお告げで、龍の通り道にするために、ガラス張りにしたのだとか。龍ってガラスは通れるんだな。

 2時間ほど景色を楽しんで、ホテルを出ると、脇に電光掲示板があって「87日○分○秒」と表示してある。おや、数字が増えている?よく見ると、「COUNT DOWN」ならぬ「COUNT UP」となっている。「返還後87日」?!そんなの数えてどうすんのよ。何でもギャグにしてしまう、タフさはやっぱりすごい。ここは香港映画の地なんだ、と実感した。

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