9月5日 金曜 ほぼ晴れ

 いつものように新聞チェックの後、「糖朝」で朝ご飯。今日は蝦餃子麺、鶏肉とシイタケの粥、油条(長細い揚げパン。ちぎって粥に浸して食べる)、大根もち、ミルクアン入りパンに、デザートまで頼んでしまった。朝からこんなに食べきれる訳もなく、パンはお持ち帰り。

 今日はショッピングの日に決定。トウコさんが知人に頼まれたという、香港返還記念スターウォーズグッズを買いに、オーシャンターミナルの「トイザラス」へ。巨大なカートを押して、巨大な売り場をうろうろし、スーツケースの4分の1を占領するであろう、巨大なグッズセットを購入。こんなものを頼まれるとは気の毒に、と密かに同情するのだった。

 日本でも有名な香港のスター(中国語で明星)、アンディ・ラウ氏デザインのサングラスが欲しかったので、同じビルの中にある「高登眼鏡」へ。日本でも買えるのだが、こっちのほうが安いと、我慢していたのだ。店のおじさんに「劉徳華の太陽眼鏡を見せてくれ」というと「サングラス〜」と言いながら出してきた。どいつもこいつも(笑)。

 せっかくなのでニュー・モデルという方を試してみたけど、細身のが多くて顔の長い私には今ひとつにあわない。悩んだ末ようやく決めたら、店のおっちゃんは「これはアンディのじゃない。ランセルだ」…なぜまぜるー。見事に一本だけ混じっていたランセルを当ててしまい、「アンディとは好みが合わないのだろうか」と動揺してしまう。でもアンディのがほしいよう。ランセルも嫌いじゃないけどさ。うなっていると、旧モデルのも出してきてくれて、そっちの方が気に入ったので決める。「まけて〜」と言ったら値引きはしてくれない替わりに、大きなアンディのポスターをくれた。言ってみるもんだわ。アンディファンの友だちへのお土産にしよう。

 実は今日のメインは香港島なので、オーシャンターミナルの脇から出ているスターフェリーにのって、対岸へ渡る。そんなに暑くなかったので、吹きさらしの2等席(1階)に乗った。がらがらで、僅かの客も地元民ばかり。

 2時半にセントラルでNさん、Kさんと待ち合わせ。時間があるので、頼まれものの「ゴッド・ギャンブラー・チョコレート(賭神チョコ)」を買いに、コーズウェイベイの三越に行く。これは映画『ゴッド・オヴ・ギャンブラー(賭神)』の中で、今をときめく(笑)チョウ・ユンファ様が、博打の前にかかさず食べているチョコレート(なぜかドイツ製で、香港では三越ともう一箇所くらいでしか売ってない)。ユンファファンとしては、ぜひとも一度食さねばならない代物であろう。

 三越では、いかにも日本のデパートらしく、フードカッターの実演販売なんかやっている。口上はもちろん広東語で、ちっとも分からない。輸入食品売り場に行って、チョコを発見。念のため、恥を偲んで店のお姉さんに「すいません、これは賭神チョコレートでしょうか?」と丁寧な広東語で確認する。返答はいたたまれないほど、にこやかだった。こんなこともあろうかと、レオン・ライ主演の『賭神3』を見たときに、「賭神」の発音を練習しておいたのだ!我ながらどうでもいいところで用意周到…。レシートにはなぜか「賭」とだけ書いてあった。

 セントラルに戻り、Nさん、Kさんと合流して「陸羽茶室」へ。ここは香港で一番古い飲茶屋さん。ちょっと観光客ずれしてるけど、やはり雰囲気がある。時間を外したせいで空いていたが、評判のカニ卵のせ3色シュウマイは売り切れていた。お気に入りのカスタードタルト、蝦蒸餃子、粽などを注文。似たようなものばかり食べているのに、ちっとも飽きないのはなぜなんだ。

 食べ終わってお茶(真っ黒なプーアール茶。ここより黒いのは飲んだことない)をすすっていると、マネージャーのような人がやってきて日本語で喋りだした。色々解説してくれるが、人の話は聞かずに一人で喋っているので、皆聞いちゃいない(笑)。うっかり「お茶がおいしい」と言ったら、すかさず売りつけられてしまった。そんな座布団みたいなお茶はいらないもんねーだ。

 すぐ側のホンコン・チャイニーズな雑貨・服の店、「上海灘」でお買い物。以前ここで買った、文字盤が点心の形をした腕時計がお気に入りで、友だちとお揃いでしては「今シュウマイ時30分だよ」「じゃ、待ち合わせは餃子時ね」とかいう、訳のわからない会話を楽しんでるのだった(が、これをすると自分達でも時間がよくわからなくなってしまうので危険)。

 タクシーに乗ってピークトラムの乗り場まで行こうとしたら、タクシーがつかまらない…。付近の道はどこまで行っても停車禁止区域で、ときどき客を降ろすタクシーを捕まえようとしても、地元民に先を越されてしまう。うろうろして結局マンダリン・オリエンタル・ホテルのタクシー寄席に行ってみたけど相当待たされてしまった。

 なんとかトラムの駅までたどり着き、ビクトリア・ピークへ上る。ピーク・ギャレリア内の雑貨店、「アラン・チャン・ショップ」でお買い物。トウコさんと私は、怪しいプリントの傘を見つけて衝動買いしてしまった。前回も「上海灘」で傘を買って、持ち帰るのが大変だったのに、ちっとも懲りてない。

 店の兄ちゃん(と思っていた)に「傘は日本語でなんと言うのか?」と聞かれたので、ローマ字で書いてあげた。色々商品を持ってきては、これは何と言うのかを聞いてくるので、ゆっくり買い物もできない。調子に乗っていろいろ教えてみたが、いざ言わせて見ると実に怪しくて、日本人客が逃げていきそうだ。ここの売上が落ちたら私にも責任があるのだろうか。逃げ出して、別の店を覗いてたらさっきの兄ちゃんがレジに立っていた。遊びに来てただけだったのか。営業妨害じゃない?

 さて、ここへ来た最大の目的である、「カフェ・デコ」へ。ここは映画『君さえいれば』でレスリー・チャンがエリック・ツァンとお茶をしていた店だ。映画のように、窓際の席を希望すると、7時半から後は予約で一杯なので、それまでに帰るなら座っていい、と言われる。1時間強、というところか。ゆっくりディナーのつもりだったけど、仕方ないな。

 チキンサラダ、トマトソースのパスタ、ピッツァマルガリータなどを注文。パスタは麺の種類とソースを、それぞれ指定しなければならなかった。やけに本格的なのね。気を使ってくれたのか、料理が来るのがやけに早かったので、ゆっくり食事ができた。けっこう美味しい。食べている間に、夜の色が濃くなってゆき、ネオンの輝きが増していく。

夜景 「となりにいるのがレスリーだったら…」とうっとりする、ファン2名。「君は夜景よりも綺麗だよ」とか言ってくれそうだよねー、と盛り上がっている。残る2名は「アーロンは食べるのに夢中で、夜景なんか目に入らないんだろうな」と、最初からあきらめている(なんて失礼なんだ)。
←ビクトリアピークからの夜景(友人Eさん撮影)

 勘定を頼むと、ここでも「日本語ではどういうのか」と聞かれる。今日は日本語教室の日らしい。新しいコースターをくれたので、ローマ字で書き出したら、「カタカナ、おっけー」だという。「オカンジョウ、オネガイ、シマス」と書いてあげたら、ぶつぶつ繰り返している。なかなか上手い。それを見ていた別のウェイター(内気そう)が、レシートを出しながら、「カキアゲ(という日本語に近いとしか言いようのない、音声)」と言ったので、皆で大笑いしてしまった。同僚にも「ナニ言ってんだよ、バカ(こういうことだけ聞き取れる私の耳)」と言われ、恥ずかしそうだ。おそらく「カンジョウオネガイ」といいたかったのだろうけど、自信がないので早口でこそこそ言ったから、こんな結果になってしまったのね。あんまりおかしかったので、思いっきり笑ってしまった。ごめんね、兄ちゃん。

 ギャレリアの展望台で夜景を眺め、崖沿いの展望所にもいって、また眺める。何度来ても飽きないなー。トラムで下界に降りたところで、Kさんが気分が悪くなったので、マンダリン・オリエンタル・ホテルで休むことにした。この時間にお茶だけで済ませられるのか心配だったが、ティールームは開いていた。しかも紅茶を飲む私達の隣は、おじさんがステーキを食べているし、反対の隣は白人がカクテルを飲んでいるし、向こうの席では香港人の家族連れがシュウマイを食べている。まるでファミレス…というより屋台村?。5つ星じゃなかったっけね、と思いつつ「まいっかー」と、ゆったり寛ぐのであった。

 階上のトイレへ行ったNさんがゴージャスだったという。そういえば、ここのトイレなら住んでもいい、とどこかに書いてあった気がする。チップの2ドル(30円)を握り締め、階段を上ると、そこにあったのは綺麗だが普通のトイレだった。付き添いのおばさんもいない。おかしい。戻って詳しく聞くと、エレベーターで2階で降りたフロアで、絨毯じきでソファがあったという。全然違う。帰りに階段を使ったら、途中にもフロアがあったという。それだ。私が行ったのは、中2階のトイレだったのだ!悔しいので、店を出た後で連れて行ってもらう。

 …確かにここなら住めそうだ。廊下から見えるのは、カーテンのかかった大きな窓と、電話の置いてあるミニテーブルとソファ。奥に個室が並んでいて、ドアは白っぽい木製で、白馬のペンション風(いや、白馬に行った事ないけどなんとなく)。 洗面台はブルーフラワーの模様が入っている。一泊2000円ならここでもいい、と本気で考える。仕上げにロビーのふかふかのソファで寛いでから、タクシーでクーロンに戻った。

 シャングリラ・ホテルは中国語で「香格里拉」と書くが、これは北京語の発音による当て字なので、広東語ではかなり違う発音になってしまう。そういうわけで、タクシーの運ちゃんには「ホンゴレラ・ホテルに行って」と言わなければならなかった。未開人でもでてきそうだね。

 シャングリラ・ホテルのNさんたちの部屋で一休みして、12時ごろカラオケへ出発。空気の悪い香港島中心部(心臓の悪い人と妊婦はメイン・ストリートを長時間歩くな、という政府のお達しが出ているほど)を歩き回っていたせいで、喉の調子を悪くした私は、香港名物ホット・レモン・コーラ(沸かしたコーラにレモンの輪切りを浮かべる。風邪に効きそうな味)を飲みたかったのに、夏場はやってないらしかった。かわりに注文したホット・ハニー・レモンは傷んだ喉に染み渡る酸っぱさ。流石レモンティーにスライス5枚がスタンダードの国は一味違う。くっ。

 アーロンの曲を中心に歌ってると、隣もファンらしく、似たようなラインナップだった。Kさんが日本語の古い歌(「ギザギザハートの子守唄」「17歳」など)を歌うと、捜すのに手間取ってるのか曲が出てくるのに時間がかかる(笑)。香港のカラオケは手動でレーザーディスクを交換してるというのは、本当だったらしい。

 日本のカラオケと違って、時間予約制ではないので、帰りたいときが帰るとき。ふと時計を見ると2時半だった。ヨロヨロとホテルに戻ると、なんと玄関が閉まっている。裏口に回ると、夕べの果物屋も24時間営業の花屋も閉まっていた。嘘つきー。ホテルのフロントも無人で、奥にいる警備の人を呼んで、鍵をもらう。結局寝たのは4時近くになってしまった。

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