3月28日 火
ショッピングへ行こう!
とうとう帰国の日。チェックアウトして、フロントに荷物を預ける。飛行機は夕方なので、最後のお買い物。頼まれたものがまだ残っているのだ。
近所の「アウガルテン」でティーポットを買う。手書きの素朴な模様と、丸っこい形が可愛らしい。日本人スタッフが、丁寧に解説してくれ、名刺をくれた。ファックスで通販をしてくれるという。日本のデパートの半額で買えるので、送料を払っても断然お得なのだって。
弥生さんが姪御さんにお土産を買うので、子供服の専門店に入った。結婚式でベールを持つ子が着る白いドレスが、ズラーっと並んでいる。パーティー用のドレスやワンピースも種類が多くて、皆舞台衣装のように可愛くて選びまくる。姪御さんに会ったことないのに勝手なことを(笑)。
7〜8歳の女の子が、若い両親と3人で買い物に来ていた。こういうところに父親も来るのは、日本ではあまり見かけない光景だ。今日平日なのに仕事は?と余計な心配をする。
「これがいい」と言った服をママに却下されて、女の子はキイイ〜と叫んでいる。パパは黙って荷物番。頑張れ!
やっぱりカフェが好き
休みたいばかりに、お腹もすいてないのにカフェに入る。ケルントナー通りに面した、雰囲気のいい店で、後で見たらガイドブックにも載っていた。
ザッハトルテ以外のケーキも食べてみよう、とドボストルテ(板状のカラメルがのっている)に挑戦したら、これまた甘いー。カラメルの厚さが3ミリほどもあって、ガリガリと音を立てて食べてると、ケーキを食べてる気がしない。ケーキ自体も甘かった・・・。
何かわからずに注文した駒崎さんの料理が来ないので、忘れてるんじゃないかと心配してたら、パスタ入りのグラタンだった、なるほど。
急がせたせいか、中のパスタはまだ冷たかった。奇しくもベルヴェデーレ宮殿のカフェで彼女が食べたものと同じ(このときも何かわからず注文)、耳たぶのような形のパスタ。これもオイゲンの呪いに違いなかろう。
隣のテーブルの上品な年配のご婦人が連れていた犬は、やはり上品で愛らしく、名前を聞いたところ「カトリーヌ」というのだった。負けた。どうせ「○み」や「○子」だもんねー、といじける。
前から欲しかった「ミヒャエラ・フライ」という店のエナメルのアクセサリーを買いに行く。日本で買うと、こちらの倍の値段なのだ。頼まれていたものも買うと、かなりの差額で、長いこと我慢していたかいがあった。店員は美人で親切だったが、私のつたない英語に苦労していた。「クリムト(というデザインがある)」というのが通じなくってねえ。
このあたりは日本人街なのか、伊勢丹デパートがあるし、日本料理屋も多い。「名古屋」という江戸前寿司の店もあった。理不尽な店名だ。
クリスマスツリー用の電飾でショーケースが飾られている店では、焼き鮭の付け合わせが千切りキャベツとトマトだった。刺身は重箱のような四角い深皿に高々と盛られ、茶漬けはドンブリ、蕎麦が1000円以上する。許せん!
←日本料理屋の見本
あちこちで見かける下着のチェーン店「Palmers」を覗いてみた。店内いたるところに、ナイスバディな男女のポスターが張ってある。下着姿なのは当然としても、ヌードもあるうえ、そのポスターも販売していた。結構売れてたりして。
時間が有っても、もはや真面目に見学する気力も無く、なんとなく店を冷やかしてまわる。土産物屋でエーデルワイスの模様の帽子をかぶったり。誰が買うんだ−、というベタベタのお土産は、見てると結構楽しい(もらうと困るけど)。
小学生の頃、祖母にもらったスイスの民族衣装のドレス(ハイジみたいな)を思い出す。純日本人顔の私には、非常に似合わなく、子供ながらに悲しかった。
「シュテファン大聖堂」の前にある「ハース・ハウス」のカフェ(またかい)でお休み。
半ばをミラーガラスで覆われたモダンなビルだが、ガイドブックによると100年以上前のデザインだそうだ。ほんと?誤植じゃないの?
それはともかく、上のほうにあるガラス張りのカフェからは、大聖堂の屋根が真正面に見えて面白い。普通教会は下から見上げるばかりだから、新鮮だった。
ウェイトレスがモデルのようにスリムで美人、注文を取る声もすごく可愛らしかった。大喜びで給仕してもらう我々・・・。
フルーツミックスジュースを飲んだら美味しかった。やはり氷はなし。
隅っこの席に、10代半ばの黒髪の美少年と白髪混じりの紳士(教師風)の二人連れがいた。「ちょっと『ベニスに死す』みたいね〜」と、さりげなく観察。
少年はカップに手もつけず、真剣に何かを訴えている。最初は進路相談でもしているのかと思ったが、身を乗り出すようにして、瞳を輝かせながら語る少年と、少し引き気味の紳士。妙に積極的じゃないか、少年。
耳を澄ませてみたものの、当然ドイツ語なので無駄であった。勝手に「僕の気持ちはご存知でしょう」「君はまだ若いんだから・・・」とかアテレコをして楽しむ。
タクシー・ドライバー
そろそろ年貢の納め時。ホテルに戻ってタクシーを呼んで貰う。そんなすぐには来ないだろうと思って、弥生さんはお手洗いに行った。荷物の側でボーっとしてたら、仏頂面のおばさんがスタスタ入ってきて、いきなりスーツケースを掴んで歩き出した!
「それ私の!!」と叫ぶと、一言「タクシー!」
制服を見れば分かるのかもしれないけど、こっちは旅行者なのに、いきなり無言で持っていく?
荷物を積み次第、出発しそうな雰囲気なので「友だちがトイレに!」と慌てて説明。興奮して声が大きくなっていたので、ロビー中に弥生さんがトイレに行ってる事が知れ渡ってしまった。置き去りにされるより、いいよね・・・。
迫力のおばちゃんドライバーは運転も迫力だった。ベンツでアウトバーンをかっとばすのは気持ちいい(笑)。
呪いは続くよ、どこまでも
帰国便は全日空の機材で、スタッフも全日空。日本人だから気楽と思ったのに、カウンターは長蛇の列。コンピューターのシステムダウンで、作業を人力でやってるらしい・・・。なんてこった。
オイゲンめ、最後まで我々に嫌がらせをするとは、見上げた根性だ。覚えてろ!(大分前に死んでるけど・・・)
空港でもお土産のチョコレートを買おうと思ってたのに、どんどん時間が過ぎていく。弥生さんの飛行機にあわせて、早めに空港に来てよかった。彼女はロンドン行きなので、問題なくチェック・イン。ゆっくり別れを惜しむ間もなく、列の間でハグハグと抱擁する。また一緒に遊ぼうね〜。
全日空のスタッフが並んでる人に飴を配りだした。「子供じゃあるまいし、こんなもので誤魔化されないぞ!」と言いつつ、もらって食べる。・・・不味い!怒り倍増、ちゃぶ台をひっくり返したくなる。
なんとかチェックインして、免税手続きをしに行ったら、係員は樂友教会のコンサートマスターにそっくりだった。
チョコレート売り場の店員は、アメリカのドラマ『ER』のグリーン先生と、俳優のジャン・レノを足して2で割ったような感じ。せっかくだから地元のチョコを、と思って捜してるのに、「ノイハウス」を薦められた。それ、ベルギーのじゃないのさ。
モーツァルトのシールの張ってある丸いチョコは、どこの土産物屋でも売っている。どこにでもあるので結局買わなかったが、ふと興味が湧いた。「これ美味しい?」と聞いてみる。
偽グリーン先生は、しばし沈黙の後「これの中身はマジパンだ。マジパンというのは、ピーカンナッツで出来ている。こちらのお菓子の人形を見たまえ。これもマジパンなので出来ている」と、関係の無い説明を始めた。つまり、美味しくないんだな(笑)
悩んで小さな箱詰めを一つ買ったら「かしこまりました、以上でよろしいですかマダム?」みたいなことを言われ、うやうやしく勘定をしてくれて恥ずかしかった。品物やレシートは両手でささげ持ってるし。どうも店員にからかわれやすい・・・。
搭乗口側のカフェで一休み。オレンジジュースは絞りたてだった。ばら売りで買ったモーツァルトチョコを食べてみる。甘い〜〜〜。(今回こればっかり)
売店で、日本人は円で支払っていたが、韓国人がウォンで払おうとしたら、拒否されていた。円の強さを実感。
全日空は混んでいて、暑くて、空気が乾燥していた。行きのオーストリアエアはよかったなあ。文句を言ってたらエアポケットに落ちて「ひゃあ〜」。あれってほんとに落ちるんですね、びっくりした。
駒崎さんは空港で買ったドリンクと新聞を一緒にいれていたら、ペットボトルのキャップが緩んでヴァスティッチがジュースまみれになっていた。
私は成田でロングコートをスーツケースにつめて宅配に出したら、東京は雨で寒かった。
最後までオイゲンの呪いがつきまとった今回のたび。噂では、帰国後駒崎さんは口内炎にかかり、1ヶ月も治らなかったという。
恐るべし、オイゲン大公。
お読みの方で、ウィーン訪問のご予定がある方、オイゲン大公の怒りをかわぬよう、くれぐれもお気をつけ下さいますよう・・・。
劇終